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【読書】彼女のこんだて帖

#角田光代

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「#彼女のこんだて帖」

読了しました。

 


長く付き合った男と別れた。

だから私は作る。

私だけのために、

肉汁たっぷりのラムステーキを!

仕事で多忙の母親

特製かぼちゃの宝蒸し、

特効薬になった驚きのピザ、

離婚回避のミートボールシチュウ−

舌にも胃袋にも美味しい料理は、

幸せを生み、人をつなぐ。

レシピ付き連作短編小説集。

 

 

 

生きる上で、

食べること、寝ることは、

きっと生活と切り離せない。

 


その食べることに

焦点を当てたこちらの小説。

 


久しぶりに読みましたが、

本当に好きだなぁ。

 


様々な年代の登場人物たちが、

大小、様々な悩みを抱えながら

日々を生きている。

 


誰かのために、

あるいは、自分のために。

ご飯を作って、

今日も食べる。

 

 

 

 


物語がモノローグ形式で進むのも、

私はとても好きでした。

 


人って、

口に出さずとも、

心の中で

色んなことを考えて、思って、

そうして生きてる気がするから。

 


この本の中では、

一人一人が、

とても人間らしく

生き生きとしている。

 

 

 

そして何よりこの本の、

一番嬉しいところは、

本の最後に

写真付きのレシピが付いているところ。

 


料理関連の本を読むと、

ついつい食べたくなってしまう。

その時にありがたいのが、

このレシピの数々。

 


角田光代さんの、

繊細な表現は、

読んでいる側の想像力を

どこまでも膨らませてくれます。

 


ほわっと立ち上る湯気や、

口の中に広がる香りなど

まるで

本の中で、

一緒に食べているかのように

錯覚しながら、

読み進められました。

 


また連作の短編小説集なので、

物語の世界が、

1編を読むごとに

徐々に広がる感覚も楽しい。

 


おすすめの一冊です。