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【読書】パレード

【読書】記録

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#映画化作品 #吉田修一

 

「#パレード」

読了しました。


都内の2LDK

マンションの一室で、

ルームシェアをする男女4人。

 


吉田修一さんの本、

実は初めて読みました。

 


2016年に公開された

映画 「怒り」 は観つつも、

家にある文庫本の中で、

まだ手を出していなかった小説。

 


映画 「怒り」 同様、

吉田修一さんの本に限ってではなく、

感想、本当に、様々だと思いますし、

あくまで個人の好みだと思いますが、

わたしはとても、好きでした。

 


以下、ネタバレ含む感想です。

(⚠︎あくまで個人的な感想です。)

 

 

 

この本は、なんというか、

なんとも、人間くさい。

 


どちらかというと

暗いイメージで、どこまでも、

汚く、醜い部分を晒すけれど、

やっぱり人間くさい。

 


本だから受け止められる

最後のエピソードも、

やっぱり人間くさい。

 


登場人物4人+1人の

それぞれの視点で、描かれる日常。

 


個々の性格や、

それぞれの想いについて

具体的に深く語らずとも、

それぞれの日常の捉え方で、

その人物一人一人を、

そしてそのナカミを、

見事に晒して、描くのは、

吉田修一さんらしいなと思いました。

 


終盤にかけて問われる

"本当の自分"について。

 


あくまで

自分が他人に対して持つ

印象や性格のイメージは、

その人のほんの一部でしかなく、

上手に象られ切り取られた部分、

なのかもしれない。

 


それは、わたしも、

日常の中でよく感じる部分でした。

 


日常の一コマ。

 


一人一人の持つ、

様々なコミュニティの中で、

人はきっと、

自分でも無意識の内に、

たくさんの自分を演じている。

 


晒しながら、隠しながら、

自分という人間を作っている。

 


この小説に出てくる登場人物は、

どの人も、不完全。

 


側から見ても、とても、

良い人間だ

とは思えない人々の個性。

 


けれどもそれが、

 


本当に愛おしい。

 

 

 

一生懸命に生活する中で、

それを繕おうとしている姿が、

控えめながらもじわじわと伝わってくる。

 


他人と関わること、

外と内に向かれた矢印が交錯し合い、

互いに糸のようなもので繋がる、

繊細なバランスを保っている日常。

 


それが、

本当にリアルで、美しく、儚い。

 


解説部分で川上弘美さんが、

「こわい」 と表現していますが、

2度、3度と読まないと本当の意味で

「こわい」 がわからないような、

そんな深い小説。

 

 

 

日常。

そして本当の自分。

 


もしかしたら、

他人だけじゃなく、

自分でもそれが何なのか、

よくわからないのかもしれない。

 


けれども人は、

 


今日も、

誰かと出会い、

誰かとすれ違い、

誰かと一緒に生活してます。

 

もしかしたら、

わたしがInstagram

写真を投稿し詩を書いているのも、

日常で本当の自分を隠して、

そのバランスを、

保つためなのかもしれません。


いやぁ、とにかく、

またもう一度読みたいです。