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【読書】冷静と情熱のあいだ Blu

【読書】記録

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#映画化作品 #辻仁成

 

「#冷静と情熱のあいだ Blu」

読了しました。

 

気分的に、なんとなく、

癖のある恋愛小説を読みたくなって、

手を出したのがこの作品でした。

 

あの時交わした、たわいもない約束。

10年たった今、

君はまだ覚えているだろうか。

やりがいのある人と大切な人。

今の僕はそれなりに

幸せに生きているつもりだった。

だけど、どうしても忘れられない人、

あおいが、心の奥に眠っている。

あの日、彼女は、僕の腕の中から

永遠に失われてしまったはずなのにー。

切ない愛の軌跡を

男性の視点から描く、青の物語。

 

男性目線で描かれる恋愛小説、

なかなか読む機会が少ないので

とても新鮮でしたが、なんというか、

まぁ、重たい。複雑。

ただ、反して、単純というか。

 

以下、ネタバレ含む感想です。

(⚠︎あくまで個人的な感想です)

 

10年。

時間の感じ方は、

人によっても、

その時の世代によっても

それぞれだと思いますが、

10年って。

 

かつての恋、

それが燃えるように熱く、

何もかもを捨てても良いような

そんな激しいものだったのなら、

尚更、

一旦冷めたように思えたマグマが、

沸々としてくることもあるのかしら。

 

ふとした瞬間に、

一気に過去に飲み込まれる感覚は、

たしかに日常良くありますが、

過去に執着しながら今を生きるなんて

わたしには出来ない。

 

忘れられない想いを

思い切って諦めながらも、

心のどこかで、

それで良しとしながら

過去にしがみ付いて生きる。

 

かっこ悪い。

男の人の思考って、

こんなにも重たいの?!

そう思っていました。

 

でも、確かに、

表には出さず、

自分でも気付かないところで、

過去に囚われて生きているところ

意外とあるのかも。

 

もちろん

自分はそうなりたくないって

どこかでそう思って

強がってしまってるのも、

現実ですが。笑

 

それにしても、

女の私は芽実にも感情移入してしまって、

この作品、

なんだかとっても解せない。辛い。

 

 

それぞれが未来と過去のあいだに

挟まれて、自問自答を繰り返しながら、

この青空の下に生きる。

 

フィレンツェの街の情景が、

昔からの変わらぬ街並みの中で、

一人ぽつんと、

置き去りにされているような、

そんな錯覚に陥らせます。

 

思い出は、

決して色褪せない。

それどころか、

綺麗に修復されながら、

頭の中に生き続ける。

 

何が切ないって、

それでも今、生きて、

別のところにいるのに、

それぞれの時が流れること。

 

こんなにも頭の中は、

過去に取り残されているのに、

未来は来てしまう。

望んでも、望まなくても。

 

 

西暦2000年、5月25日。

その日を迎えて、

時間は動き出す。

 

 

出会ってしまったこと、

別れてしまったこと、

でも、また再会してしまったこと。

なにが良くてなにが悪かったのか。

 

私は、再会してからの3日間が、

どうしようもないほどに印象的でした。

 

過去に縋って生きてきたとき

今ようやくまた出会えたのに

そこにはどうしようもない現実があって

会えなかった8年間の鮮やかな思い出が、

少しずつ確実に塗り替わる。

 

一秒でも早く、

現在を過去に馴染ませたかった。

 

なにが正解で、

どこで間違ったのか、

それはわからないけれど、

それでも前に進み出す。

時間が、動き出す。

 

読み終わってからも、

なんだか、溜息が

出てしまうような感じですが、

2人にも未来が、

生きている限りは、

まだ来ることを祈って。

 

この作品は、

江國香織さんとの2人での作品。

あおい 女性目線で書く江國香織さんと、

順正 男性目線で書く辻仁成さん。

 

次はRossoを読みたいです。